文系数学受験が実は穴場って聞いたんだけど本当?
社会よりも数学のほうが好きなんだけど、文系の数学受験は不利?有利?
本記事では上記のような疑問に、実際に文系数学受験で早稲田や慶應に合格した筆者が、
- 文系の数学受験が有利なポイント(メリット)
- 文系の数学受験が不利なポイント(デメリット)
- 結論、どんな人に文系数学受験をおすすめするか
について徹底的に解説していきます。
これから科目を選ぼうとしている学生の方はぜひ最後までご覧ください!
- 23卒の文系大学生
- 現役で一般全落ち
- 浪人を経て数学受験で早稲田・慶應の複数学部に合格
- ↓TwitterのDMで就活や受験のアドバイスもしてます
文系の数学受験が有利なポイント(メリット)
早速文系の数学受験が有利なポイント(メリット)について解説していきます。
- 標準化による得点調整がある場合が多い
- 倍率が下がる可能性がある
- 社会科目に比べて暗記量が減る
- 今後の人生でも数学的思考が必要になる
- 理系の学生の滑り止めとしてもおすすめできる
1つ1つ見ていきましょう。
標準化による得点調整がある場合が多い
文系の数学受験が有利なポイント(メリット)の1つ目は、「標準化による得点調整がある場合が多い」ということです。
まずは「標準化による得点調整」という制度について説明します。
簡単に言うと、問題の難易度を考慮し、選択科目間でどれを選択しても平等になるように得点を調整するものです。
例えば、日本史の受験者平均点が60点、世界史の受験者平均点が60点、数学の受験者平均点が20点だった場合に、数学受験者の点数が上がり、社会受験者の点数が下がるような点数調整が入ることがあります。
例えば、基本的には早稲田の数学受験は平均点が低い傾向にあるので、数学で高い点を取ることで一気に合格へ近づくのです。
実際、筆者は早稲田の商学部と社会科学部で数学受験をし、英語が壊滅的でしたが数学である程度良い点をとることができたので合格することができました。(自己採点なので多分の話ですが、、)
倍率が下がる可能性がある
文系の数学受験が有利なポイント(メリット)の2つ目は、「倍率が下がる可能性がある」ということです。
これは全学部に言えることではありませんが、例えば慶應義塾大学の商学部では、数学を利用した受験形式だと圧倒的に倍率が変わります。
慶應の商学部にはA方式とB方式があります。A方式は数学を利用した受験形式なのですが、倍率が2.4倍、B方式は数学のかわりに小論文を利用する受験形式で、倍率は6.3倍となっています。(2023年度)
このように、明らかに数学を利用するほうが有利になる学部が存在します。
社会科目に比べて暗記量が減る
文系の数学受験が有利なポイント(メリット)の3つ目は、「社会科目に比べて暗記量が減る」ということです。
大学受験における社会科目(地理や歴史)は非常に量が多いです。また、早稲田や慶應の社会科目は重箱の隅をつつくような問題がでることも多いです。
しかし、文系の数学受験は一部学部を除いて基本問題や典型問題が多いです。青チャートを何周もし、過去問題を解けば対応できる問題な印象です。
そのため、文系の数学受験では社会受験に比べて単純な暗記量は減ると考えられます。
理系の学生の滑り止めとしてもおすすめできる
文系の数学受験が有利なポイント(メリット)の4つ目は、「理系の学生の滑り止めとしてもおすすめできる」ということです。
理系の学生は文系学部でも妥協できるなら、文系の数学受験で滑り止めを受けることをおすすめします。
理系の学生からすると文系数学の問題は簡単で、かつ得点調整で大体得点が上がるので圧倒的な有利になります。
今後の人生でも数学的思考が必要になる
文系の数学受験が有利なポイント(メリット)の5つ目は、「今後の人生でも数学的思考が必要になる」ということです。
これは直接大学受験時には関係ありませんが、今後の人生においても数学的な思考の力というのは大事になってきます。
普段の生活や仕事で成果を残す人は体力がある人と論理的な思考力が高い人だと感じます。
そのため、受験時に現代文や数学が得意な人が多いイメージです。今後の人生を考えると、受験時に数学を捨てるという選択肢は不利になる可能性があります。
また、経済学部や商学部といった学部では授業で微分積分や線形代数といった数学をやっていないと単位取得が難しくなる授業があります。
これらの学部に入りたい人は数学受験をしていると大学で有利になります。
文系の数学受験が不利なポイント(デメリット)
次に、文系の数学受験が不利なポイント(デメリット)について解説していきます。
- ライバルが手強い可能性がある
- 点数が安定しない
- 勉強しても成績が伸びない可能性も
1つ1つ見ていきましょう。
ライバルが手強い可能性がある
文系の数学受験が不利なポイント(メリット)の1つ目は、「ライバルが手強い可能性がある」ということです。
文系の数学受験をする層は実は国立受験者が多いのです。そのため、早稲田や慶應といった大学の文系数学受験の層は、東大や一橋といった最上位国立大学受験者の滑り止め層です。
これは文系の数学受験が不利(デメリット)になるポイントです。
実際自分も浪人時には一橋大学の滑り止めとして早慶を数学受験していました。
点数が安定しない
文系の数学受験が不利なポイント(メリット)の2つ目は、「点数が安定しない」ということです。
数学のテストは社会のテストに比べてあまり安定しないです。
社会は一旦ある程度点数を取れるようになってしまえば、そこまで点が下がることはありません。
しかし、数学は相当な得意な人でないと安定するところまでは行かないイメージがあります。
大問1が大問2の前提になっている場合などで大問1で計算ミスをしてしまいドミノ式に全問不正解というのはあるあるだと思います。。
勉強しても成績が伸びない可能性も
文系の数学受験が不利なポイント(メリット)の3つ目は、「勉強しても成績が伸びない可能性もある」ということです。
数学は基礎や知識を積み上げていく科目で、思考力も問われます。また、数学の成績が結果現れるまではある程度の期間が必要となります。
それにもかかわらず、勉強時間を増やしていけば確実に伸びるという科目ではありません。
そのため、文系の数学受験はリスクが大きい不利な科目であるとも言えます。
結論、どんな人に文系数学受験をおすすめするか
ここまで文系数学受験が有利になる点、不利になる点を述べてきました。
そのうえで、最終的にどんな人に文系の数学受験をおすすめするかを解説します。
- 数学に対して苦手意識のない人
- 国立大学が第一志望の人
- そこまで偏差値の高い大学を受けない人
- (番外編)とにかく慶應義塾大学の商学部に受かりたい人
数学に対して苦手意識のない人
文系の数学受験がおすすめな人の特徴の1つ目は、「数学に対して苦手意識のない人」です。
これが一番大事かもしれません。
数学は完全に努力量と成果がそのまま紐づく科目ではありません。結果が出るまである程度時間が必要ですし、間違った勉強方法では永遠に成績が上がらないというようなこともあります。
そのため、元々数学に自信のある人や数学を勉強しても苦ではない人に文系の数学受験はおすすめです。
国立大学が第一志望の人
文系の数学受験がおすすめな人の特徴の2つ目は、「国立大学が第一志望の人」ということです。
そこそこの偏差値の高い国立大学志望の人であれば、数学は受験科目として勉強しているはずです。
社会科目と数学科目の過去問を解き、その過去問の平均点と比べて数学のほうが良ければ数学受験をするのがよいでしょう。
社会のほうが得意だと思っていても、標準化による得点調整で結局得点が下がってしまっては意味がありません。
そこまで偏差値の高い大学で受験まであまり時間がない人
文系の数学受験がおすすめな人の特徴の3つ目は、「そこまで偏差値の高い大学で受験まであまり時間がない人」ということです。
これは意外に思われるかもしれませんが、偏差値がそこまで高くない大学を受ける人で受験時期まで時間がない人は数学受験がおすすめです。
なぜなら、数学は社会科目に比べて時間と成果が比例しないからです。社会科目は時間をかければ得点が伸びていくので、しっかり勉強してきた人と差がついてしまいます。
また、偏差値の高くない大学の文系の数学問題は基礎的な問題であることが多く、範囲も数学1Aまでしかないといったこともあります。
そのため、高校の授業で行ったことで対応できる可能性が高まります。
(番外編)とにかく慶應義塾大学に受かりたい人
文系の数学受験がおすすめな人の特徴の4つ目は、「(番外編)とにかく慶應義塾大学に受かりたい人」ということです。
最後に番外編ですが、とにかく他の大学はいいから慶應義塾大学に入りたいという人は数学が必須である慶應義塾大学商学部のA方式を受験することをおすすめします。
慶應義塾大学の商学部のA方式の受験科目は、英語、社会、数学です。
この組み合わせは普通の私立文系受験生には受けられない組み合わせなのです。そのため、例年倍率が慶應の全学部の中でも1番低いのです。
もちろん、その代わりライバルは東大や一橋、旧帝大学といった上位国立大学の受験生ばかりですが、挑戦するならこの数学を利用したA方式が有利です。
実際、筆者の大学の同級生で慶應商学部第一志望で英語、数学、社会の勉強しかしていなかったという人がいました。
「文系の数学受験は不利なのか有利なのか」に関連するQ&A
ここまで文系数学受験が不利なのか有利なのかという観点で実際の経験を踏まえながら解説してきました。
ここでは、それに関連するQ&Aを紹介します。
文系数学はどこまで勉強すればいい?範囲は?
受験する大学・学部によって違いますが、基本的には数学1A、数学2Bが範囲であることがほとんどです。
中には数学1Aまでしかでない大学学部もあります。
さらに、大学や学部によっては特定の範囲しかでない特殊なケースも存在します。(例えば、場合の数や確率はでないなど)
そのため、絶対に受かりたい大学・学部がある場合はその学部の過去問をしっかりと研究しましょう。
文系数学の難易度は?
文系数学の難易度は一概には言えませんが、理系の数学受験と比べると簡単です。数3がないということもありますが、相対的に取らなければいけない点数が低いのが一番大きいです。
絶対的な問題の難易度でいうと、早稲田の商学部の問題は非常に難しいと言われています。
実際私が受けた年の早稲田の商学部の数学の問題も非常に難しかったのを覚えています笑
文系数学受験で受けられる大学は?
文系数学受験できる大学はかなり多いです。
早稲田大学だけでも、商学部、社会科学部、人間科学部を受けられます。(政治経済学部は数学が必須)
その他、MARCHでも経済系や商学系では基本数学受験ができます。
ぜひ受験したい大学に数学受験が使える学部があるかどうか調べてみましょう。
文系数学受験のおすすめ参考書は?
青チャートを何周もしていれば文系の数学受験において、基本はできているといっても過言ではないでしょう。
そこから数学を得意科目として武器にしていきたいなら、
- 文系数学の良問プラチカ
を行いましょう。大事なのは、1冊を極めるということです。解法を理解して暗記する勢いで取り組みましょう。
また、以下の記事ではレベル別におすすめの参考書と文系数学の勉強方法を解説しているので、文系数学受験をするなら必見です。
まとめ: 文系の数学受験は不利か有利か
本記事では文系の数学受験が不利なのか、有利なのかについて解説してきました。
特に、どういう人が数学受験をして有利になるのかについて述べてきました。個人的には数学受験を選んでいなければ慶應には確実に受かっていなかった(小論文対策はしていなかった…)ので良かったと思っています。
受験は長期戦ですので、科目選びも戦略的に慎重に行いましょう!ぜひ合格を目指して頑張ってください!
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