「ITパスポートは意味ない?他の資格の勉強をするべき?」
「ITパスポートはゴミ資格ってネットに書いてあるんだけど、」
「ITパスポートは意味ない」という意見を耳にして資格取得をためらっている方は多いかと思います。
結論、「ITパスポートが意味ない人と意味がある人でケースバイケースである」となります。
どのような人にとって意味がなく、どのような人にとっては意味があるのか詳しく解説していきます。
ITパスポートが意味ないと言われる理由
まずはそもそもなぜITパスポートが意味ないゴミ資格だと言われているかについての理由と、そこからITパスポートを取得しても意味ない人を考察していきます。
- 求められる専門性が高くない
- 合格率が非常に高い
- 実践的な資格ではない
- 転職時に評価されるわけではない
それぞれ詳細に見ていきましょう。
求められる知識の専門性が高くない
引用: https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/seido_gaiyo.html
上記画像を見てもらっても分かる通り、ITパスポートは求められる知識の専門性はそこまで高くありません。ITパスポートは、「IT系の基礎知識を問う国家資格」です。IT系の企業に従事する社会人の一般常識を広く浅く問われます。つまり、何も知らない状況からのファーストステップを踏むような立ち位置で、専門的な知識は必要とされていません。
実際に、IT企業で既に複数年働いている私の友人はITパスポートの資格をノー勉で合格したと言っていました。実務者にとっては当たり前の知識のようですね。。
このような人に取っては「ITパスポートは意味ないゴミ資格」と捉えられるかもしれません。
合格率が非常に高い
「求められる知識が専門的でない」ため、ITパスポートは合格率が非常に高いです。実際のデータを見ても、毎年約30,000人程度の合格者が出ています。合格率は50%ほどで、国家資格としてはかなり易しいと言えます。
資格を持っていても希少価値がないため、自分以外の人材との差別化になるとは言い難いでしょう。
そのため、合格するのが当たり前とされてしまい、「意味ないゴミ資格」という結論に至ってしまうのかもしれません。
参考資料: 情報処理技術者試験 統計資料
実践的な資格ではない
先程も述べたように、ITパスポートは「IT系の基礎知識を問う国家資格」であり、IT従事者の一般常識のようなものです。そのため、ITパスポートに合格したからと言って何か実務で特殊なことが出来るようになるわけではありません。
知識自体は役に立つことがありますが、ITパスポートを持っているかどうかは正直関係がないように思います。このようなことから「意味ない」「ゴミ資格だ」と言われてしまっているのかもしれません。
転職時に評価されるわけではない
今まで見てきた理由を踏まえて、転職活動においては、ITパスポートは評価対象に入らないことがほとんどです。
転職市場においてはスキル・実績を実務経験によって証明することが評価の対象になりやすいです。資格も加点対象にはなりますが、ITパスポートはIT企業に所属する社会人であれば常識的な内容ですので、評価には入りづらいと言えます。
ITパスポートを取得しても意味がない人
「ITパスポートは意味がないゴミ資格だ」と言われる理由について解説していきました。
これらの理由から実際にITパスポートを取得しても意味がない人を割り出せると思います。
それは、
「新卒ではないIT企業に属する人が、企業内もしくは転職でITパスポートを活かそうとしているパターン」
だと言えます。逆に、新卒の方や、非IT企業や非IT職種の方にとっては意味があると思います。そのようなパターンをこれから解説していきます。
意味があるパターン①: ITパスポートの勉強自体
ITパスポートの取得自体が意味ないパターンであってもITパスポートの勉強や知識自体には意味があることがほとんどです。
特に新卒で入社したばかりである人、入社前の人などに取っては、IT企業における幅広い知識を学ぶことができ、意識することがなかったことに気付ける可能性が広がります。
また、経験者であっても特定の状況や場面でしか従事していない場合、ITについて体系的に学べていないこともあります。そのような場合にはITパスポートの勉強には意味があると言えます。
さらに、ITパスポートではIT企業でやっていくための経営や法律の分野からも出題されます。これらの知識は意外と実際の生活で役に立つ知識なので勉強しておいて損することはないかと思います。
意味があるパターン②: IT知識が全く無い場合
IT知識が全く無い場合、ITパスポートから勉強を始めると理解がスムーズに出来るはずです。難易度もそこまで高くなく、試験の勉強を前から順番にやっていけば体系的な知識が浅く広く身に付くのでオススメです。
これからIT企業へ転職したいと思っているわけでもないけど、「IT企業に勤める社会人の常識」がどの程度のものかを知っておくというのはタメになると思います。
意味があるパターン③: 非IT職種・非IT企業の人が取る場合
非IT職種や非IT企業ではIT企業の職場で常識とされることが常識でない場合が多いです。また、非IT企業であってもIT企業の人と関わることはあると思います。
そのような時にITの知識を体系的に知っていると重宝されることもあるでしょう。特に現代では企業のIT化が進んでいると言われています。
そのような時に社内で相対的にITリテラシーが高いと評価も上がり、IT担当のような業務を任されるなど、仕事を有利に進められるというメリットがあります。
例えば、ITパスポートの活用事例として公式サイトには以下のようなものがありました。
■株式会社朝日新聞社
朝日新聞社では、「全ての人に意味のあるメディア」へ生まれ変わるため、テクノロジーや世の中の変化とともに進化していくという社の取り組みを「未来メディアプロジェクト」と位置付け、IT技術の積極的な活用に挑戦し続けている。従来の紙の新聞による情報発信だけでなく、紙とIT技術の長所を組み合わせたハイブリッドなニュースメディアとしてのニュース発信に力を入れている。このような方針の下、全社的にデジタル化を推進しており、対応力を高めるために全社員を対象にITパスポートの取得を推奨、支援している。新規採用の内定者全員に対しても、入社前に参考テキストを配布し、入社までに資格の取得を求めている。(後略)
引用: https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/example.html#kigyou
意味があるパターン④: ITパスポートを大学生が就職で使う場合
僕は、大学生が就職時にITパスポートを活かすことは可能だと考えています。理由としては、
- IT業界に対するやる気を見せられる
- 文系大学生のIT企業就職の手助けとなる
- 企業側もITパスポートの取得を推奨している
のようなものがあります。実際に僕もITパスポートを就職活動の前に取得しておいて良かったと感じています。
実際、ITパスポートを新卒に取得させる企業もあります。
■株式会社サイバーエージェント
2016年入社の新入社員に対し、ITに関する知識のみならず経営やマネジメントに関する基本的な知識を身に付けるため、ITパスポート試験(iパス)を導入することを決定。入社前の内定段階又は入社後に、全新入社員にiパスを受験させる予定である。
このように、IT大手の株式会社サイバーエージェントでさえもITパスポートを受験させていた事例もありました。
大学生の方はこれらの情報を以下で詳細に述べているのでこちらも併せて御覧ください。
意味があるパターン⑤: 気軽に国家資格を取得したい場合
ITパスポートは「国家資格」となります。ITパスポートは「意味ない」と言われる資格ではありますが、毎年多くの数の受験者がいる人気のある資格です。
人気の資格の割に、難易度が非常に高いというわけではなく、むしろ、資格難易度ランキングなるサイトでは、難易度偏差値では45となっていましたので、簡単な方です。
さらに、試験自体も常時行われており、自分が好きな時に試験を受けられるというのも非常に良いポイントです。
手軽に人気の国家資格を取得したい人にとっては意味がある資格となります。
[補足]ITパスポートの勉強時間や勉強方法について
ITパスポート合格にはどのような教材を利用したら良いの?
勉強時間や効率的な勉強方法は?
もし貴方がITパスポートを取って意味がある人だった場合、次は上記のようなことを考えると思います。
勉強時間は人にもよりますが、合格まで約100時間と言われています。勉強法としては、
- 参考書を一通り読み終える
- 参考書の2週目を読みつつ、読んだ分野の過去問題集を解く
- 過去問道場で間違えた問題を参考書を見ながらとき直す
- 苦手分野の過去問題を解く
- 間違えた問題が解けるようになるまで繰り返す
上記のようにするのが良いと思います。詳細な解説は以下の記事も併せて御覧ください。
ついでに僕が使用した教材も載せておきます。
結論: ITパスポートが意味ない人・意味ある人
ここまでITパスポートを取得して意味がない人・意味がある人についてまとめていきました。
ほとんどの人にとってはITパスポートの勉強自体は意味があるものになるかと思います。ぜひ勉強ついでに資格も取得しておきましょう。
そして、取得した場合はさらなる上位資格である「基本情報技術者試験」や「情報セキュリティマネジメント試験」などに挑戦することも考えてみてください!
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